買取成約事例(詳細版)

2025.05.01

買取成約事例(詳細版)

古本買取成約事例 ゆまに書房『古典籍索引叢書』第1~8巻 40,180円

日本古典籍の大規模索引群を収録

今回はタイトルのような査定を承りました。こちらがその書籍です。

タイトルにある書籍名をもう少し正確に書きますと
『書誌書目シリーズ112 古典籍索引叢書 —宮内庁書陵部蔵『類標』』です。

この索引叢書の底本となっているのが副題にある『宮内庁書陵部蔵『類標』』であり、これは179冊からなる索引叢書です。その大半は須坂藩(現在の長野県須坂市にあった藩)の第11代藩主・堀直格(1806年~1880年)の所蔵でした。索引で179冊というだけで充分な驚きですが、さらに凄いのは、この索引が堀家に架蔵された書籍に実際に連動している索引群だということです。一体、どれほどの大きさの書庫を備えていたのでしょうか…。

この実用性により、『類標』は堀家の蔵書構成や近世末期の蔵書利用の様子、当時の出版物流通・メディアのあり方なども推察することができると考えられており、そういった意味でも非常に貴重な資料として位置づけられています。

全42巻+別巻のうちの第1回配布本

さて、ゆまに書房から出ているこの『古典籍索引叢書』は『類標』179冊のうち152冊までを復刻した内容となっています。

今回査定に出していただいた8冊は、2017年の第1回配布分の全8巻でした。(2019年までにすべての配本が完了しています。)

実は続編もあります

2019年時点では『類書』の途中までが『古典籍索引叢書』で復刻されたわけですが、残りの27冊についてはどうなってしまったのでしょうか?

実は、同じくゆまに書房からこの残りの部分も復刊して完成形とする『書誌書目シリーズ118  続・古典籍索引叢書 —宮内庁書陵部蔵『類標』』(2021年)も出版されました。

『続~』のこちらは全10巻ですが、これまた江戸後期の最大の古典籍叢書である『群書類従』に関わる索引群が収められており、これにより堀家の蔵書の全容が明らかになった形です。

 

なお、『書誌書目シリーズ112 古典籍索引叢書 —宮内庁書陵部蔵『類標』』は全巻揃い定価875,050円(揃本体795,500円)

『書誌書目シリーズ118  続・古典籍索引叢書 —宮内庁書陵部蔵『類標』』は全巻揃い定価198,000円(揃本体180,000円)

となっており、お値段の方もその貴重さを物語っています。

 

こちらのブログではたびたび「シリーズものは全巻揃いの方が買取額が高くなりますよ!」とお知らせしてきましたが、ここまでの大作となると全巻揃いで所蔵している方の方が珍しいのではないでしょうか?

今回の「第◯回配本分全巻」のケースのように全巻とはいかないまでも、ある程度まとまった量でも良い価格で買い取りたいという古書店さまはいらっしゃいます。

「途中までしか集めてないし、売れないかな」と諦めてしまう前に、まずはお気軽に査定依頼をしてみてくださいね。

過去記事参照

日本史研究の基礎史料となる古典籍を集成、改訂を加えた『国史大系』(吉川弘文館)を紹介した記事はこちら、

社史を通じて日本の植民地経済史を読み解くことを目的に、ゆまに書房が発行した『社史で見る日本経済史 植民地編』を紹介した記事はこちらです。

どちらも全巻揃いではありませんでしたが、今回と同様歴史を知る上で貴重な史料・資料であり良い金額で取引がされています。

同じような書籍のご売却を考えていらっしゃるかたは、こちらも参考にしてみてください。

 

スタッフN

240301-010260

安心して信頼できるお店へ買取依頼できるサービス「古本一括査定.com」