2025.07.01
買取成約事例(詳細版)
今回は見出しのような書籍の一括査定を承りました。タイトルと見出しからも分かるように、今回出品いただいた本はすべて「時間」をテーマにした本たちでした。
「時間」に関係のある本だけで200冊を超えているという時点ですでに圧倒されますが、その切り口がまた哲学や物理学、神経医学からなど多様であったことも特筆すべき点です。
そんな本の中から特に注目したものをいくつかピックアップしてご紹介します。
①『宇宙を織りなすもの』(上下巻) 草思社
上画像の左端。
著者のブライアン・グリーンといえば、『エレガントな宇宙』(2001,
本書は、彼が物理学の最前線で解き明かされつつある「空間」と「時間」の本質について、一般読者向けに解説した著書です。
②『脳と時間 : 神経科学と物理学で解き明かす〈時間〉の謎 』
上の画像のほぼ中央にあるピンク色の背表紙の書籍。
こちらはタイトルに「脳」が出ていることからも明らかなように、①と同じ科学分野の本ではあっても脳神経科学や認知心理学に根ざした切り口の本です。
著者はUCLAの神経生物学・心理学教授で、脳がどのように「時間」を感じ、計測し、過去や未来を思い描くのかという最新の研究成果を紹介しています。
彼はこの著作で「時間」について考察し、
などといった疑問に対し、最新の知見を元に解説します。
難解なテーマではありますが、平易な言葉を使用して一般人にも分かりやすく書かれている点が本書の人気ポイントです。
③『タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る』
上画像の左から6冊目の黄色いカバーの本。
「タイムトラベル」がどのように物語や思想、科学の中で扱われてきたのかを探る一冊です。「SFの巨人」とも呼ばれるイギリスの作家H.G.ウェルズの『タイムマシン』(1895年)を起点としながら、プルーストや村上春樹などの文学作品にも言及。
さらにはニュートン、アインシュタイン、ホーキングといった科学者たちの理論や言葉も引用し、「時間」とは何かを大きなテーマとし、その謎に迫ります。
ジャンルとしてはサイエンスフィクションに分類されているようですが、その文学作品の引用数から文学論と捉えても良いのではないでしょうか?
④『時間と絶対と相対と ―運命論から何を読み取るべきか』 入不二 基義 著,2007,勁草書房
すぐ上画像の左端にある本です。
こちらの本は、「時間」や「現在・過去・未来」といったテーマを、絶対主義と相対主義、そして運命論という観点から多角的に論じる哲学書です。
「難解なテーマも章ごとにエッセイ形式で取り上げられていて読みやすい」「哲学初心者にもおすすめ」とのレビューをよく見かけます。
⑤『時間という謎 (現代哲学への招待)』森田 邦久 著,2020,春秋社
右から10冊目の本。
こちらの本も「時間とは何か?」という根本的な問いに、現代物理学と哲学の両面からアプローチする入門書です。
著者は量子力学や相対性理論など最新の物理学の成果を踏まえつつ分析哲学の精緻な議論も取り入れて、時間の本質や「いま」「流れ」「はじまり」などの謎に迫ります。
副題が「現代哲学への招待」となっていますが、著者の森田氏の専門分野は科学哲学ということで、まさに今回ご依頼いただいた書籍全体のテーマといえそうな分野ですね。
物理学も哲学もともに難しそうに思えますし、数式とか専門用語とかが大量に出てくるのでは?と敬遠されてしまうかも知れませんが、ここまでで紹介したような本たちと同様、こちらも難しい理論は抜きにして一般人でも読める内容となっているようです。
みなさんが「時間」という言葉から連想するものはなんでしょうか?
普段は「時間がない!」「時間の流れは早いなぁ」というように、個人の感じ方に重心のある使い方をされていることが多いように思います。
しかし、そういう感じ方1つとっても突き詰めて考えていくと「私はこういうふうに感じているけれど他の人はどんなふうに感じているんだろう?そもそも、時間や空間普遍的に言えることはなんだろう??宇宙全体を貫くルールのようなものはあるのだろうか?」といったように物理的な興味を刺激されたり、「この有限の時間の中で人間が生きるってどういう意味があるんだろう?」というような根源的な哲学的問に行き着くのかも知れませんね。
古本一括査定.comでは、今回のように1つのテーマに沿った本をまとめて査定ご依頼いただくと古書店様の目に留まりやすい傾向があるように思います。
たくさん本があって、どうやって売りに出していったらいいか迷っている…という方は参考にしてみてくださいね。
貴重なお品物を査定に出してくださり、ありがとうござました!
※今回ご紹介した書籍はご出品いただいた本のうちのごく一部です。
スタッフN
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