買取成約事例（詳細版）

日中戦争時の従軍カメラマンによる？写真96枚

今回は見出しのような一括査定を承りました。

今まで古地図やミリタリー関連の骨董品 など戦時中の様子を伝える品物の成約事例をご紹介したことはありましたが、アルバムの買取成約事例をご紹介するのは初なのではないでしょうか。

こちらが表紙となります。

かろうじて『聖戦記念』という文字が読み取れます。こちらのアルバム、印刷された写真集かと思いきや、生写真がそのまま台紙に貼り付けられています。その数、96枚。

頂いた写真の中にはなんとあの蒋介石と、その夫人である宋美齢が写っています。

一般人がこのような要人の近くで写真撮影など叶わぬはずで、おそらくは公式に認められた従軍カメラマンの手による撮影なのではないでしょうか。

戦前・戦後に活躍した大女優、山田五十鈴の姿も！添え書きによれば「上海第一陸軍病院」を慰問した際のもののようですね。

さて、このようなアルバムの存在について調べてみると、戦中の様子を伝える「記念写真集」が結構な数、発行されていたようです。部隊名がついた記念写真集なども散見されます。

中には今回のように生写真が貼り付けられたものも出回ったようですが、印刷されたものに比べれば数が限られるのは当然です。(しかも、脇に添えられた説明文は手書き！)その点も今回の査定額に反映されたと思われます。

「記念」などと言われると少し違和感を覚えますが、異国で亡くなった方の関係者であれば“その人がどんな場所で国のため尽くして散っていったのか”を知りたい気持ちも分からなくはありません。戦意高揚という意味合いとともに遺された人のため、また慰霊の意味も込めて作成されたのでしょうね。

戦争という繰り返してはいけない歴史ではありますが、当時の様子を知ることのできる貴重な資料です。ご依頼いただき、ありがとうございました。

スタッフN

230912-009079