2024.05.01
買取成約事例(詳細版)
今回は見出しのような一括査定を承りました。
こちらのお客様は5回以上当サイトで買取成約をご経験されている常連様でした。いつもありがとうございます!
今回の古書店様とのお取引もすでに3回目だそうで、「申込後に追加書籍が出た際も丁寧に対応・査定いただきました!」とご満足いただけたようです。
私達は査定額についても勿論大事なのですが、古書店様とのフィーリングがマッチすることも大事だと考えております。その点、今回のお取引結果は私達にとっても嬉しい結果でした。
是非、古本一括査定.comでお気に入りの古書店様を見つけてくださいね。
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さて、今回の査定の目玉となったのは見出の「ときの忘れもの」が発行した美術誌と画集でしょう。
「ときの忘れもの」はギャラリーとして近現代作家の版画・オブジェ・油彩・写真等を取り扱い展示するほか版画の版元としても活動するギャラリーかつ美術編集を請け負う会社です(法人名は有限会社ワタヌキ)。また、日本で唯一、安藤忠雄や磯崎新など建築家の版画の版元として彼らのほぼ全ての版画作品をプロデュースしています。
今回高額となったであろう商品は、具体的には
◯『版画掌誌 ときの忘れもの』第4号(北郷悟・内間安理特集) 限定35部
◯『日和埼尊夫句集』(日和埼尊夫の版画入り) 限定300部
◯『宮脇愛子 オリジナル・シルクスクリーン入り図録・DVD付き』限定200部
だと思われます。どれも発行部数がとても少ない希少なものです。
今回は特に同ギャラリーが発行した美術誌『版画掌誌 ときの忘れもの』の第4号(北郷悟・内間安理特集) に注目してみます。
北郷悟は舟越保武・佐藤忠良という具象彫刻の巨匠に学び、自身も彫刻家として活躍する人物です。テラコッタ彫刻という素焼きで仕上げる彫刻(身近な例でいうと、素焼きの鉢植えや埴輪なんかもテラコッタですね!)をその特徴としています。
“具象彫刻の作家”とはなっていますが、「ときの忘れもの」HP内で紹介されている北郷氏の彫刻作品からは細部を省略し造形を研ぎ澄まさせた抽象彫刻に近いような印象を受けます。
その彫刻家であるはずの北郷氏がなぜ版画の特集で取り上げられているかと言うと、ギャラリー「ときの忘れもの」で開催された氏の作品展の折にはじめて銅版画を作成したのが縁となっているようです。
この『版画掌誌 ときの忘れもの』がすごいは、なんとオリジナル版画が封入されていることなのです。先程の北郷氏の作品(銅版画)も3点
同じ号で第2特集を組まれている内間安理氏の作品も2点(銅版画1点、木版画1点)付属します。
『ときの忘れもの 第4号』にもA版とB版が存在しているようで、今回のご依頼品はA版で販売価格は120,000円…!
版画作品の数が少ない(計2点)B版は35,000円で限定135部です。
版画とはいえ1枚1枚刷るアナログ版画では複製できる数も限られますので、こういったオリジナル版画が付属するという時点で発行部数は限られますが、何と言っても本物の作品が手に入れられることが価値の大部分を占めます。今回も版画が付属していなければ書籍本体が部数限定品であってもオファーは付かなかったでしょう。
より身近な例でいうと「◯◯図鑑 DVD付き」「◯◯デザイン集 CD-ROM付き」なども付属するディスクの価値が重要なのと同じです。
なかなかこういった美術品の域に達した商品をお売りいただくことは珍しいのですが、本を売るときは付属品も大事!という点を参考にしていただけますと幸いです。
スタッフN
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