2024.04.15
買取成約事例(詳細版)
今回は見出しのような一括査定を承りました。
お写真を拝見した限りでは、かなり年代物の古書のような印象を受けますが、1冊1冊ビニール袋に入れられ、大切に保管されてきたことが伺えますね。
かなり貴重そうな資料達ですが、なぜ高額買取につながったのでしょうか?
まず、お写真を拝見すると、「高橋文太郎(たかはし ぶんたろう)」なる人物が編纂した資料が数冊見受けられます。写真には名前がありませんが、『山岳』も高橋の編纂による資料です。
この高橋文太郎とは、一体どのような人物なのでしょうか。
高橋は、下保谷(現在の東京都西東京市)の大地主の家に生まれ、民俗学者だった人物です。学生時代に山岳部で活躍していた際に山の民俗学に傾倒し、民俗学の道を選ぶに至ったとか。
その後、実業家の渋沢敬三(日本近代資本主義の父と言われた渋沢栄一の孫)が主宰する日本常民文化研究所にて学ぶことになりますが、その日本常民文化研究所の前身は、渋沢が有志達と自邸の屋根裏に結成した「アチック・ミュージアム(屋根裏の博物館)」。ここで、農耕具などの資料の収集・研究を行うようになります。
『 武蔵保谷村郷土資料』・『秋田マタギ資料』に見受けられる「アチツク・ミューゼアム彙報」または「~ノート」とは、おそらく彼らの研究成果をまとめた資料なのでしょう。
この高橋と渋沢は、この「アチツク・ミューゼアム」で収集した貴重な資料を公開するため、1939年、当時の下保谷に日本初となる野外ミュージアム「民族学博物館」をオープンします。が、現在では跡形もなく、戦争や施設の老朽化などにより、地元にも資料はほとんど残っていないそうです。(1962年の閉館時に4万7千点ほどあった貴重な資料や標本は大阪の国立民族学博物館に移管されました。)
高橋は、45歳で病死してしまい、功名心がなく謙虚な人物であったためか、遺された資料も少なく忘れられた民俗学者だったと言われています。
ただ、秋田のマタギについての研究などは当時としては先進的であったり、資料としては大変貴重なものが多いそうです。
今回は、その大変貴重な資料であるのに加え、ある程度まとまったテーマで書籍を査定依頼いただいたため、高額買取に繋がったものと思われます。
古本一括査定.comでは、様々な分野に精通している古書店様が多数在籍されていますので、専門的な古書であっても、適正な価格で買取をしてくれるはずです。
また今回のお取引では、査定時より買取時に1冊追加となったようですが、当サイトでは、書籍の追加は大歓迎!
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