買取成約事例(詳細版)

2024.04.03

買取成約事例(詳細版)

古本買取成約事例 宗教・文学関連書籍 約160冊 40,550円

仏教を中心とした宗教関連書籍や詩歌など文学関連書籍の一括査定

今回は見出しのような一括査定を承りました。

ざっと写真を拝見したところ、以下のような書籍に特に良い査定額が付いたのではないかと推察します。

 

かくれ里 愛蔵版』白洲 正子(著)、2010   (下の写真の一番左)

こちらは随筆家の白洲正子の紀行文。吉野、伊賀、越前などの街道筋から少し離れた「かくれ里」に埋もれた思いがけない「美」を発見していく道程を描いています。華族出身で幼少期から能の舞台に親しみをもち、陶磁器などの骨董にも造詣が深かった正子ならではの審美眼が光る作品です。

当サイトを運営している会社は東京都の八王子市に所在しているのですが、白洲正子とその夫の白洲次郎が住んだ「武相荘(ぶあいそう)」がある町田市にもほど近く、筆者も二度ほど訪れたことがあります。つつましやかな中にも夫妻の上質なセンスをビシビシと感じる空間でした。書籍を読んでその美的感覚に興味を持たれましたら是非、足を運ばれることをオススメします。併設されたカフェのカレーも美味しかったですよ!(笑)

元々は1971年に発行された書籍ですが、タイトルにあるようにこちらは愛蔵版です。古書における全体的な傾向として、新版や改訂版は旧版より良い値段で取引されることが多いです。

 

引き算の美学 もの言わぬ国の文化力』黛 まどか (著)、2012  (下の写真の中央)

神奈川県生まれの俳人の黛まどか氏。1999年にサンティアゴ巡礼(聖ヤコブの眠るスペイン、ガリシア地方にあるサンチャゴ・デ・コンポステーラに至る巡礼路)約800kmを踏破、2001年から2002年は韓国の釜山からソウルまで約500kmも踏破。最近でも2017年に四国の遍路約1,400kmを踏破するなど、とにかく歩く歩く文化人です。そういった点は上の白洲正子との共通点でもありますね。

そういった国内外での活動を通したからこそ見えてきた「日本の潜在力」、「日本人の美徳」を問う日本文化論についての著作が本作です。

 

虚無の信仰 西欧はなぜ仏教を怖れたか ロジェ=ポル・ドロワ (著), 島田 裕巳/田桐 正彦 (翻訳)、2002 (下の写真の右から4番目)

こちらは西洋哲学の視点から東洋文化を捉え続けるフランスの哲学者が記した、19世紀西洋における仏教と東洋文化の、受容と拒絶を論じた書籍です。

タイトルにある「虚無の信仰」とは、19世紀頃西洋の哲学者—ニーチェ、ヘーゲル、ショーペンハウアー—らが仏教を指して批判した言葉。仏教における「涅槃」の信仰は「魂の消滅」を説くものとして誤解され、忌避されたとします。本書ではその誤解がどのように生じたのかが記述されているようです。

 

現在、洋の東西を問わず「多様性を重んじろ」「他者に寛容たれ!」というスローガンが大きく耳に届きますが、その障壁の1つとなりがちなのが「宗教」だと思います。大多数の人が無神教(のように思える)日本に住んでいると、この部分に関して不感症になりがちな気がするのですが、こういった本を読むことで異なるバックグラウンドを持つ人々の視点が見えてくるのかも知れませんね。本書は出版から20年以上が経過しているわけですが、ここにきて市場での取引額が上がってきているのも人々のそういった意識の現れなのかも知れません。

 

 

※ここに掲載した書籍画像は査定対象となったものの一部です。

スタッフN

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