買取成約事例(詳細版)

2024.02.27

買取成約事例(詳細版)

古本買取成約事例 文学(詩)、書誌学、政治史に関する書籍 35冊 6,480円

『森 銑三著作集』や『黄葉夕陽村舎詩』、『岡義武著作集』などまとめて査定

今回は見出しのような一括査定を承りました。

上記の書籍について順番に少しずつ解説めいたものを下に書きます。

①森 銑三(もり せんぞう)は明治28年生まれ、昭和60年に90才で鬼籍に入られた歴史学者であり、書誌学者です。

彼は大学で専門的に学問を修めたわけではないものの、働きながら独学で文学や国学の研究に没頭。図書館や資料館に埋もれた資料を紐解きながら執筆を重ね、近世日本の文化・文芸関係の人物研究分野で大変な成果を遺した人物です。

特にその後半生は井原西鶴の研究に尽力しました。

彼の唱えた井原西鶴論で有名なものは、「西鶴作品とされるもののうち、実は彼の手によるものは『好色一代男』だけだ!」という驚きのものです。

この説を支持する研究者は残念ながらほぼ居ませんが、それでも彼の研究成果は今回の『森銑三著作集』(全13巻、1970-1972)などに記され、多くの国文学徒を未だ惹きつけています。

 

②菅 茶山(かん ちゃざん(さざん、とも))は江戸時代後期の儒学者で漢詩人です。

今回のご依頼中に菅茶山関連の著作はいくつか含まれていましたが、特に『黄葉夕陽村舎詩(こうようせきようそんしゃし)』(1981、児島書店)は高額で取引されている書籍です。

原著は文化9年(1812)に発行された漢詩文集で、今回のお品はそれを復刻出版したものとなります。

原著の編校を務めたのは、こちらも江戸時代後期の歴史家で漢詩人の頼山陽(らいさんよう)。2人とも現在の広島県の生んだ偉人ですね。今回の依頼品とは関係ありませんが、平凡社の東洋文庫から『菅茶山と頼山陽』が発行されているので、この辺りも一緒に読むと理解が深まりそうです。

 

③岡 義武(おか よしたけ)は明治から平成の激動の時代を生きた政治学者で、東京大学の名誉教授も務めた人物です。お弟子さんには日本人初の国連難民高等弁務官となった緒方貞子さんもいらっしゃいます。その肩書だけでも相当凄い人物であるということが察せられますね…!

お写真の『岡義武著作集』は全8巻全てが揃っている状態です。

①でご紹介した『森銑三著作集』も全巻揃いでしたが、こういった全集やシリーズものの書籍はどこか1巻が欠けてしまうだけでも大きく査定額に影響します。

取引が終わった後に、「あ!この前売ったあの全集、ここに欠けの1巻があったよ・・・!」ということのないよう、全巻揃っているかご確認の上、査定依頼いただくのがオススメです。

スタッフN

230630-008539

 

安心して信頼できるお店へ買取依頼できるサービス「古本一括査定.com」